第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』のネタバレを含めて、ラスト結末の意味の考察をさせていただきますね。
この記事は映画『パラサイト 半地下の家族』を見た方のための考察です。
ですので、見てない方は絶対に見ないでください。
これを見てから映画を見ると、面白さが半減しますよ。
またラストでソンガンホ演じるキムギテクがあの行動をしたのはなぜなのでしょうか?
もう一度お伝えします。
映画を見てない方は、たっぷりネタバレを含みますので、見ないでくださいね。
目次
映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ考察!ラスト結末の意味とは?
映画『パラサイト 半地下の家族』ラスト結末の意味を考察してみたいと思いますが、その前に映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレをたっぷりさせていただきます。
ポンジュノ監督もネタバレしないようにと言っていますが、あくまでも見た方のための記事としてネタバレしますので、ご了承ください。
https://twitter.com/FansVoiceJP/status/1209972555802529793?s=20
映画『パラサイト 半地下の家族』ラストネタバレは?
過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。
“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。
パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく・・・。
ここまでが公式サイトに書かれているあらすじですね。
ではここから衝撃的なラスト結末を含めたネタバレをさせていただきます。
キムギウ(チェウシク)が家庭教師、キムギギョン(パクソダム)が美術の先生と朴社長一家に寄生を始めたキムギテクファミリー。
続いて、キムギギョンがある画策をして、父親キムギテク(ソンガンホ)を朴社長の運転手に、
さらに、母親キムチュンソク(チャンヘジン)を家政婦にして雇ってもらいます。
こうして、朴社長一家に寄生したキムギテク一家。
朴社長の息子であるダソンの誕生日の日、キャンプに出かけた朴社長一家。
キムギテクファミリーはその留守に朴邸で好き放題します。
妹のキムギギョンは、バスタブに浸かり、
長男のキムギウは、芝生に寝っ転がり、
元ハンマー投げの選手だった母親のキムチュンソクは朴邸の広い庭でハンマー投げを披露、
そして、父親はソファで酒盛り。
朴社長の娘ダヘに気に入られていたキムギウは、
「ダヘと結婚したら、将来はここは自分の家になる」とまで言っていました。
そんな幸せの絶頂だったキムギテク一家。
あたりは雨が降り始めました。
その時やってきたのが、元家政婦のムングアン。
キムギテク一家にハメられ、解雇されたムングアンです。
キャンプで朴社長一家がいないことを知っていたムングアンは忘れ物を取りに来たといって戻ってきました。
ムングアンを招き入れた現家政婦のチュンソク。
チュンソクとの関係がばれないように息を潜め隠れるキムギテク、キムギウ、キムギギョン。
ムングアンが向かった先は、地下の倉庫。
そこでチュンソクが見たのは、チュンソクの謎の行動。
なにやら壁と食器棚の間に挟まっていた。
その食器棚がガガガ・・・と動くと、なんと朴社長の家には地下室があったのです。
階段を駆け下りるムングアン。
そして、誰かを呼ぶ声
「ヨボ(あんた!)」
チュンソクはムングアンの後を追うと、その地下室にいたのは
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ムングアンの旦那クンセだった。
朴社長邸にパラサイト(寄生)していたのはキムギテク一家だけでなく、ムングアン夫婦も寄生していたのです。
ムングアンが家政婦時代、食事を夫に分けることができたが、辞めさせられ、食事もままならなくなったクンセ。
ムングアン、クンセ、チュンソクの奇妙な3人のやり取りを地下室の階段で見守っていたキムギテクらでしたが、階段から転げ落ち、キムギテクが
「アボジ(父さん)!」
と呼んでしまう。
ムングアンが見ると、そこにいたのは家庭教師、美術の先生(ジェシカ)、運転手、そして家政婦。
キムギテク一家が、朴社長一家に寄生していたことがムングアン、クンセにバレてしまった。
この一部始終をスマホで録画したムングアン。
「これを朴社長に送るぞ!」
と脅し、ここから形勢逆転。
ムングアン、クンセらにお仕置きされるキムギテク一家。
だが、一瞬のスキをつき、スマホを奪い、クンセとムングアンが縛り付けた。
そんなときに、自宅の電話が鳴った。
キャンプに行ったはずの朴社長夫人からであった。
雨のため、キャンプが中止になり、あと8分で家に戻るというのだ。
慌てふためきながら、クンセを元の地下室に押し込み、ムングアンを階段から突き落とし、何事もなかったかのように振る舞うチュンソク。
その時、キムギテク、キムギギョンはテーブルの下に。
キムギウはダヘのベッドの下で息を潜めていた。
何度もバレそうになったが、寸前のところで存在に気づかれず、逃亡をはかるキムギテク、キムギウ、キムギギョン。
家に戻ると、半地下の家が豪雨のため水に浸かっていた。
家で過ごせない3人は、避難所で一夜を過ごした。
そこにキムギギョンの携帯に朴社長夫人から電話が入る。
「息子のダソンの誕生日をお祝いするパーティーをするので、来るように」と。
キムギテクにも運転手としてお呼びがかかる。
当然、キムギウもダヘの家庭教師としてそのパーティーに向かうことになる。
その時、キムギウはある決心をして、朴社長邸に向かった。
庭では、パーティーの準備が順調に進んでいた。
その頃、キムギウが向かった先は地下室。
キムギウは地下にいるクンセを亡き者にしようしたのだ。
しかし、クンセの返り討ちに遭い、キムギウは意識不明に。
地下から這い上がってきたクンセ。
台所にある包丁を手に、パーティーをしている庭に向かった。
クンセはキムギテク一家を皆殺しにするつもりだった。
まず犠牲になったのがキムギギョン。
そして、次にキムギテクを包丁で刺そうとしたところ、チュンソクにバーベキューの串で刺される。
キムギテクはキムギギョンに近寄り、なんとか助けようとする。
キムギギョンが刺されたときに、失神して倒れてしまった息子ダソン。
そのダソンを助けようと父親である朴社長はキムギテク(運転手)に
「車のキーをよこせ」
と叫ぶ。
その後、インディアン姿で待機していたキムギテクは朴社長を刺してしまった。
大混乱のさなか、逃げ出すキムギテク。
数ヶ月行方不明であったが、意識を取り戻したキムギウにより、居場所が判明。
キムギテクがいた場所は、
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朴社長邸の地下室だった。
半地下から地下にさらに下ってしまったのだ。
キムギテクはパーティーの騒動後、どこに逃げるか悟った、と。
キムギウはモールス信号でキムギテクからのメッセージを読み解き、なんとか元気にやっていることがわかる。。
そして、キムギウはある計画を立てる。
「たくさんのお金を稼いで、朴社長の家を買う。それまで元気でいてください、父さん」
건강하세요.아버지
以上が、映画『パラサイト 半地下の家族』のたっぷりネタバレです。
さて、映画『パラサイト 半地下の家族』のラストの結末の意味とは一体なんだったのでしょうか?
映画『パラサイト 半地下の家族』考察 ラスト結末の意味とは?
衝撃的な展開の映画『パラサイト 半地下の家族』でしたが、ラストの結末は比較的穏やかなものでした。
ラストの結末の意味は、たとえ下流階級の貧乏人だとしても、計画をしっかり立てて行動すれば、上流階級になれることを暗示していると考察しました。
どういうことかというと、この映画『パラサイト 半地下の家族』は金持ちである上流階級と、半地下や地下に住んでいる貧乏人の対比です。
映画の中では、
「決して線を越えてはいけない」
というセリフが何度も出てきます。
この線とは金持ちと貧乏人の間にある線です。
この線を越えてしまったからこそ起きた悲劇がこの映画に描かれています。
だから線を越えてはいけないということを伝えている一方で、最後にキムギウは金持ちになって朴社長邸を買うと言っています。
つまり、貧乏人でも金持ちになれるということを伝えているように思えます。
豪雨で半地下が水に浸水し、避難所で一夜を過ごした時、
キムギテクは
「人生は計画通りにいかない」
とキムギウにいいます。
計画なんて意味がないと言わんばかりです。
だから貧乏のままで金持ちにパラサイト(寄生)しないといけきていけない人生を送ってしまったのだと思います。
無計画では、上手くいくものも行きません。
逆に言えば、計画を立てて行動すれば、上手くいくとも言えます。
このことが、最後のキムギウの言葉に詰まっている気がしています。
キムギウがどんな計画を立てるかはわかりませんが・・・。
ただ、ラストのシーンでは、なにも恐れることなく、地下室から上がってきたキムギテクは、庭にいたキムギウと抱き合っていました。
そこにはチュンソクの姿も。
完全に妄想だと思いますが、未来は明るい。
今の状況から抜け出すことは誰でもできる
というポンジュノ監督のメッセージとして受け止めました。
ところで、キムギテクはなぜ朴社長を殺害してしまったのでしょうか?
映画『パラサイト 半地下の家族』考察 キムギテクが朴社長を殺害した理由は?
キムギテクが朴社長が殺害した理由を考察してみました。
結論から言うと、2つの理由があると考察します。
1つは、人の命より、自分の子供を優先にした
2つ目は、今まで貧乏人であるキムギテクが金持ち朴社長、夫人から受けた精神的苦痛が積み重なったから
では一つ一つ詳しく解説してみたいと思います。
キムギテクが朴社長を殺害した理由の1つである、人の命より、自分の子供を優先にしたということですが、これは表面的な理由の1つとして考えています。
キムギテクは目の前で娘であるキムギギョンが刺されました。
その刺された衝動で倒れ失神してしまった朴社長の息子のダソン。
キムギテクがキムギギョン(ジェシカ)の父親であることは知る由もない朴社長。
ですが、1つの命が失われてしまおうというときに、ダソンを連れ出そうと必死でした。
キムギギョンのことなど視線にも入っていない感じでしたね。
朴社長はキムギテクに
「車を出せ!」
と叫びました。
キムギギョンのそばから動こうとしないキムギテクに業を煮やし、
俺が運転するからと
「車のキーをよこせ!」
とキムギテクに命令します。
完全にキムギギョンの命より、ダソンを大切に考えている行動です。
もちろん、誰でも自分の子供が一番可愛いのは百も承知です。
ですので、2つ目の理由がなかったらキムギテクは殺害しなかったかもしれない考えています。
2つ目の理由は、今まで貧乏人キムギテクが金持ち朴社長や夫人から受けた精神的苦痛が積み重なったから。
キムギテクは朴社長や夫人から、精神的虐待を受けています。
自分たちの住む家が浸水してしまった翌日に、何事もなかったかのようにパーティーをするから来いと呼び出されました。
そして、車の中では鼻をつまれ、臭いがすると言われます。
さらに、高級スーパーで買いあさります。
いまだ避難所で過ごしている人もいるのに・・・
とキムギテクは思ったはずです。
金持ちと貧乏人は違うとどこかで諦めていたのも事実でしょう。
しかし、それらの我慢の限界が来て、引き金を引いてしまったのが、朴社長の言動でした。
キムギギョンが刺され、その衝動で失神したダソン。
そのダソンを助けようと車のキーをよこせと叫びながらも、そばにいたクンセやキムギテクから発せられた臭いに我慢がならず、「臭っ!」という表情を見せてしまいました。
その朴社長を見て、今までの精神的苦痛もあり、感情的になり刺してしまったと見ています。。
いうなれば、キムギテクが朴社長を殺害したのは、クンセのたためでもあり、同じような精神的苦痛を受けている他の貧乏人のためでもあったのではないかと考えています。
貧乏人を代表してキムギテクが、金持ち代表の朴社長を殺害したと考察してみました。
映画『パラサイト 半地下の家族』の作品情報は?
映画『パラサイト 半地下の家族』はこんな映画です。作品情報を改めてお伝えしておきますね。
作品名 | パラサイト 半地下の家族 |
製作国 | 韓国 |
公開日 | 2020年1月10日(金) |
監督 | ポン・ジュノ |
脚本 | ポン・ジュノ ハン・ジヌォン |
出演者 | ソン・ガンホ チェ・ウシク パク・ソダム |
主題歌 | |
上映時間 | 132分 |
あらすじ(ネタバレ) | 韓国映画初の「第72回カンヌ国際映画祭」最高賞パルムドールを受賞作。半地下に暮らす全員失業中の家族だが、長男ギウがIT企業のCEOを務めるパク家に家庭教師とし豪邸に住むことになったことで、予想外の悲喜劇が繰り広げられる。結末が全く読めないブラック・コメディ映画 |
映画『パラサイト 半地下の家族』考察 ラストの結末の意味(ネタバレ)まとめ
映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレを含め、ラストの結末の意味を考察してみました。
またソンガンホ演じるキムギテクが朴社長を殺害した理由も考察してみましたがいかがでしたでしょうか?
この映画『パラサイト半地下の家族』はいろんな見方があるかと思いますので、ぜひあなたのご意見も聞かせてください。
お問い合わせからいただけると嬉しいです。
映画『パラサイト 半地下の家族(韓国原題:寄生虫)』の考察はこちらもご覧ください。
ロケ地もまとめてみましたので、どうぞご覧ください。
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