第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』を見てきました。
先が見えないストーリーで、最後は衝撃的な展開が待っていました。
見終わった後、色んなことを考えさせられる映画ですが、今回は『パラサイト 半地下の家族』のポスターの意味を考察してみます。
ポスターに映っている投げ出された足は誰ので、何を表しているのでしょうか?
映画を見てない方は、少しだけネタバレを含みますので、見ないほうがいいかもしれません。
目次
映画『パラサイト 半地下の家族』考察!ポスターの意味とは?
映画『パラサイト 半地下の家族』のポスターは2種類あることをご存知でしょうか?
映画『パラサイト 半地下の家族』考察 ポスターその1)
ではまずこちらのポスターから考察します。
まずあなたに質問です。
このポスターには何人が映っているでしょうか?
「8人じゃないの?」
と思った方もいるかもしれませんね。
もしくは
「9人でしょう!」
と思った方もいることでしょう。
残念ながらどちらも正解ではありません。
このポスターには10人映っています。
「どこにいるの?」
と思ったかもしれませんが、、、
気づいた方もいるかもしれませんが、劇中にも出てくるあの男が映っていますよね。
金持ちの朴社長の息子、ダソンが書いた絵が左に飾られています。
映画を見た方はおわかりかと思いますが、社長夫人のパクヨンギョはダソンの自画像と勘違いしていますよね。
でもあれはまさにあの男。
ということで、このポスターには朴社長家にパラサイト(寄生)している人物が全員映っているんです。
そして、もうおわかりかと思いますが、投げ出された足は家政婦であるムングアンのものですね。
では、なぜ投げ出されているかというと、、、
少々ネタバレになりますが、命を落としたからですね。
なぜ命を落としたのかは、映画を見た方であればご存知ですよね。
確かにあそこから叩き落されれば命を落としますよね。
さて、このポスターでもう一つ大事なポイントがあります。
すでに気づいている方もいるかもしれませんが、
朴社長の家族の目には白い線が
キムギテク一家には黒い線が
描かれています。
これは何を表しているのでしょうか?
韓国のパラサイト解析サイトによると、
目は人間の魂やアイデンティティの象徴であり、人間の魂にも見えない物質的階級を区別するためのものとも言える
とありました。
눈은 인간의 영혼이나 아이덴티티를 상징함으로 인간을 영혼따위 안중에도 없는 물질절 계급으로 구분한다는 뜻이 될 수 있겠다.
韓国サイトによると、映画『パラサイト 半地下の家族』のポスターはポン・ジュノ監督のアイディアではないようです。
映画監督であるポスターデザイナーのキムサンマン監督の作品とのこと。
このポスターを初めてポン・ジュノ監督が見たときに
非常に驚いたし、とても嬉しかった。
とインタビューで語っています。
それほど、目を隠すことで色んなことを見たものが考えさせられますよね。
しかも、白と黒という対象的な色がそれぞれの家族の目を覆っているわけですからね。
金持ちと半地下に住む人間を区別しており、白は黒に、黒は白になることはできないことも表しているものかもしれません。
もう一つこのポスターには朴社長家族とキムギテク一家を分けているものがあります。
おわかりになりましたでしょうか?
もしわからないなら、もう一度よーーーーくこのポスターをご覧ください。
ヒントは足です。
もうおわかりになりましたでしょうかね。
朴社長家族は履物を履いているのに対して、キムギテク一家は履物を履いておらず裸足です。
キムギテクは寄生しているので、いつでも半地下(地下)に帰れるようにという意味が込められていると考察します。
劇中でも、朴社長の家から逃亡をはかるときに、キムギテクの汚い足が映っていましたよね。
あの裸足のまま、豪雨の中、半地下の家まで帰ったわけですが、朴社長やヨンギョは絶対にしませんよね。
ここにも、朴社長家族とキムギテク一家が相反するところが象徴されているわけですね。
さて、もう一つのポスターでは何が描かれているのでしょうか?
映画『パラサイト 半地下の家族』考察 ポスターその2)
こちらのポスターの目にもやはり線が入っています。
先ほどと同じように
朴社長家族には白い線
キムギテク一家には黒い線
が入っていますね。
それと、もう一つ特徴は、キムギウが持っているものです。
何を持っているかというと、、、、
例の石です。
劇中では、山水景石と言われていました。
ギウの友人ミニョクが、持ってきた身につけていれば富と幸運をもたらすというもの。
確かに、一時的に富と幸運をキムギウをはじめ、キムギテク一家にもたらしてくれました。
しかし、最後は予期せぬ展開に・・・
この石でキムギウは意識を失ってしまう。
豪雨で半地下に戻ったときにも、水に沈んだこの山水景石が映っていました。
この映画『パラサイト 半地下の家族』にとっては、非常に重要なアイテムですね。
さらに、このポスターにも先程のポスター同様、投げ出された足があります。
この足は誰のものでしょうか?
さっきより少々足が細く、白いですよね。
この投げ出された足は、キムギギョンの足です。
「シカゴ、イリノイ、一人っ子」
の美術の先生をうまく演じたあのキムギテク一家の長女ジェシカですね。
ジェシカソングが話題になっているようです。
ではなぜ顔を出さず、足が投げ出されているのか?
これも少々ネタバレになりますが、、、
といっても、先程のポスターに足だけ映っていたムングアンを考えればおわかりかと思いますが、このキムギギョンも命を落としたからです。
あの男に殺されてしまったわけですが、、、
そして、このセリフ
행복은 나눌수록 커지잖아요
直訳すると、幸せは分ければ分けるほど大きくなるでしょう
日本のポスターには
幸せ少しいただきます
となっていました。
お互いがお互いの幸せを本当に分けることができたなら、あんな悲劇は起きなかったのでしょう。
ただ、こちらのポスターをご覧ください。
お気づきの方もいると思いますが、日本のポスターにはなぜかキムギギョンの足が消えています。
なぜ日本では消えてしまったのでしょうか?
R+15ということを端的に示したのかもしれません。
映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ(ネタバレ)は?
映画『パラサイト 半地下の家族』はこんな映画です。作品情報とあらすじ(ネタバレ)をご覧ください。
作品名 | パラサイト 半地下の家族 |
製作国 | 韓国 |
公開日 | 2020年1月10日(金) |
監督 | ポン・ジュノ |
脚本 | ポン・ジュノ ハン・ジヌォン |
出演者 | ソン・ガンホ チェ・ウシク パク・ソダム |
主題歌 | |
上映時間 | 132分 |
あらすじ(ネタバレ) | 韓国映画初の「第72回カンヌ国際映画祭」最高賞パルムドールを受賞作。半地下に暮らす全員失業中の家族だが、長男ギウがIT企業のCEOを務めるパク家に家庭教師とし豪邸に住むことになったことで、予想外の悲喜劇が繰り広げられる。結末が全く読めないブラック・コメディ映画 |
映画『パラサイト 半地下の家族』ポスター考察
映画『パラサイト 半地下の家族』ポスターの考察してみました。
世界で評判になるのは見たものにはわかります。
ポン・ジュノ監督は
「悪人のいない悲劇、コメディアンのいない喜劇」
とこの映画を評しています。
パラサイト、韓国での原題は『寄生虫』
果たしてこの寄生虫の意味とは?を考察しましたので、ぜひ読んでみてください
ロケ地もまとめてみましたので、どうぞご覧ください。
インディアンの意味とは?
はまた別で考察してみたいと思います。
まだご覧になっていない方はぜひ劇場に見に行ってください!
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