実話を基にした韓国映画『トガニ』のあらすじ、衝撃のネタバレ、そして考察と観た感想をご紹介致します。更にキャスト一覧やどこまでが実話なのか。原作にも触れながら”トガニ”の意味も観ていきましょう。
目次
韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』のネタバレ(あらすじ)は?
さて、まずはじめに韓国映画「トガニ」の概要とあらすじ(ネタバレ)をご紹介します。
作品名(邦題) | トガニ幼き瞳の告発 |
原題(韓国) | トガニ 도가니 |
公開日 | 韓国 2011年9月22日 日本 2012年8月4日 |
監督・脚本 | ファン・ドンヒョク |
公開時間 | 125分 |
2005年、韓国 光州にある福祉施設学校で実際に起こった話だ。
この福祉施設学校に就任したばかりの教師”カン・イノ(コン・ユ)“は来て早々、この学校の寮母であろう人間が生徒の頭を洗濯機に無理矢理挿れてる所を目撃。他にも別の男子生徒が肌の色が変わるほど、殴られ、顔が腫れている姿を職員室で見たり、女子トイレから悲鳴が聞こえたりと普通の学校では、信じられない物ばかりを目にする。
この福祉施設学校では、校長率いる教師たちが生徒たちにあらゆる虐待を日常的にしている事を知るのだ。そして性的虐待までする教師たち。この学校には止めるものもおらず、障害がある生徒たちは助けを求めることすらも出来なかったのだ。イノ教師は1度は見て見ぬふりをしていたが、人間としての扱いをされていない子供たちを見て、胸が痛くなり、自分には嘘をつけないと立ち上がったのです。
映画の最初で、とある少年が電車に轢かれて死んでしまいます。教師になったイノは妻を亡くし、喘息持ちの娘と2人暮らし。娘を支えるために福祉施設学校にやってきました。今まで自由に生きてきたイノはコネで教師という職業を手にしたために支払った金額は5000万ウォン(日本円で大体500万円あたり)。
この職業を手にするため、実家も売ってしまったのです。この学校へ来てから様々な虐待を目にしてきたイノ。
ある日、パク教師(キム・ミンサル)が職員室でも殴っていた生徒の”ミンス(ペク・スンファン)”に校長室でまたも殴っていた所をイノ教師は目撃するのです。それを見たイノは怒りを我慢できずに、校長室からミンスと一緒に出たパク教師を追いかけ、怒りのままに持っていた鉢植えをパク教師の頭に殴りつけたのです。そしてここからが..
宣戦布告へと変わるのです。
日常化される虐待に問題ないと学校側は言うが、子供たちはようやく助けてくれる大人が現れ、涙をしながらノートと手話でイノに訴えかけます。暴力だけではなく、冒頭で亡くなった少年はミンスの弟であり、亡くなった弟は校長たちから性的虐待も受けていたのだ。テレビ局の協力もあり、この学校での悪は世の中に知れ渡ることになるのだ。
いろんな証拠を集め、裁判になる中、お金と権力がある校長はミンスの家族に示談を求めます。そしてミンスの祖母は苦しい生活の中、お金を受け取ってしまい、裁判はなかったことに。
結局、亡くなった弟の仇を取れず、悔し涙をするイノとミンス。証拠も存在すら全て抹消されてしまい、軽い刑で済んでしまったのです。ミンスは絶望感に明け暮れ、釈放されたパク教師を自らの手で襲い、ミンス自身も自らの命を捨ててしまうのでした。
あまりにもひどすぎる結末に学校の生徒や家族がデモを起こしたのです。その中でイノ教師はミンスの遺影を抱き抱えながら、『この子の名前はミンスです。耳も聞こえない、口もきけません。ミンスのことを忘れないでください』と叫ぶのです。映画の最後には、映画公開を機に再調査が行われて、加害者たちにはきちんとした刑を与えられたとの文字で終わりました。
では、韓国映画「トガニ」の考察を兼ねた感想を述べたいと思います。
韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』の考察と感想は?
韓国映画「トガニ」を考察するとともに、私の感想を述べますね。
なんとも悲しい結果。最終的には刑が与えられてよかったですが、ミンスが生きてるときにきちんとした刑を出して欲しかったです。
私自身も公開当時、トガニの単行本を買いました。実話だからこそ、目を向けてはいけない話だと衝撃を受けたのを覚えています。そしてミンスたちが一番苦しいのに、なぜそんな気持ちも考えずにミンスの祖母は孫を売るようにお金を受け取ってしまったのか。一番悲しくて胸が痛くなりました。
ちなみにトガニの意味を調べてみました。
タイトルの「トガニ」は“坩堝(るつぼ)”と言う意味。本来の意味は高温処理をおこなう耐熱式の容器。ということは、出口のない密閉した中で、じりじりと地獄みたいな恐怖と痛みという意味を表しているのではないでしょうか。
そして2011年の公開後、トガニ法というものが現実に作られ、加害者たちに刑を罰せられました。そして翌年2012年には光州にある学校も廃校になったのです。
トガニ法とは、障害がある女性への虐待に対する罰則や障害者や13歳未満への虐待に対する法律ができました。
ここで、韓国映画「トガニ」のキャストを紹介します。
韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』のキャスト一覧は?
こちらが韓国映画「トガニ」のキャスト一覧です。
韓国映画『トガニ』のキャスト コン・ユ(カン・イノ役)
・コン・ユ 1979年7月10日生 41歳 184cm
代表作:新感染、82年生まれ、キム・ジヨンなどに出演。さすが名俳優ですね!!トガニにはコン・ユさんが主演でよかったとつくづく思う演技力でした!
韓国映画『トガニ』のキャスト チョン・ユミ(ソ・ユジン役)
・チョン・ユミ 1983年1月18日生 37歳
代表作:新感染、82年生まれ、キム・ジヨン等に出演。コン・ユさんとの共演がすごく多いのですね。トガニでは、ソ・ユジンという、人権センターの幹事役でかっこいい役柄を演じています。何歳になっても変わらない童顔に驚きです。
韓国映画『トガニ』のキャスト キム・ヒョンス(子役:キム・ヨンドゥ役)
・キム・ヒョンス 2000年6月23日生 20歳
代表作:記憶の中の僕たちへ、いま会いにいきます等に出演。子役で演技の上手さに涙涙でした。小さいながら素直な演技に魅了されちゃいました!そんなキムヒョンスさんも2020年で20歳の大人に!!綺麗になって今後の女優業も期待大ですね!
ところで、この韓国映画「トガニ」はどこまでが実話なのでしょうか?
韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』はどこまで実話なのか?
韓国映画『トガニ』がどこまで実話かというと
実話そのままを映画にしたそうです。むしろこの映画が作られ、納得のいく事件真相が進んだのではないでしょうか。この映画の監督を務めたファン・ドンヒョク監督は”現実はフィクションより多様で複雑“だと話していたそうです。実際に起きたことを映画にすることで現実に影響を与えられるのですね。この事件はこの監督あっての解決ができたのかもしれません。
韓国映画『トガニ 幼き瞳の告発』まとめ
いかがでしたか?
なによりも子役たちの演技が上手すぎて、映像に引き込まれてしまいます。
そしてやはりコン・ユ兄さん!!何やっても演技が素晴らしいですねー!胸が熱くなる演技でした。
おばあちゃんのせいで示談になり、ミンスが悔し涙するシーンなんて..もう子役でこの演技できるってどうゆうこと?!てなりました。笑
そしてこれがノンフィクションであることが本当に悲しくなります。全世界でこのようなことが減り、一人でも多くの被害者が出なければいいな。と感じる映画でした。
“人を守る”ということは、簡単なようで難しいことですが、守る権利はあります。障害があろうとも一つの命です。人間です。一度、この映画を見てみてください。
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